北アルプスへ

北アルプスに登る

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夏山とはいえ、ちょっと無謀な感じがしていた


2,000mの山、2,500mの山と少しずつ高い山を登っているけど 体力とか技術とか経験とかって色々必要なのではないかと漠然と考えていた
人里離れた高い山に登る それは山小屋に泊まることとイコールだ 混雑する山小屋の人口密度は想像を絶するほどだという 話に聞くと難民キャンプや地中海を渡る亡命船のようだとも



なんちゃってクライマーが安易に行ってはいけないところ
そんな風に思っていたけれど、やっぱり北アルプスには登ってみたい


2,500m以上の山から見る朝陽は神々しくて病みつきになるとも聞いていたし ある時そんな写真を見せてもらった 美しい朝焼けの写真。


「この景色が見たい」


衝動的にそう思ってしまった 本能的と言ってもイイかもしれない


五竜岳に登ろう
登る山はすんなり決まった。
メンバーは義弟と経験豊富な山ガール。いつものメンバー。
ルートは山ガールに一任。だいたい五竜岳がどこにあるのかもよく知らないし、北アルプスそのものもよくわからないんだからひどい話。


準備
落石対策にヘルメット。
石や岩が落ちてきたら「落(らく)」と叫ぶらしい。
英語の「Rock」と発音が似てるから世界共通なんだろうけど、それなら最初から「ロック!」でいいのでは?
後にこのヘルメットが笑いをとることに………

山と高原地図
ありえないとは思うけど、一人で迷ってしまっても自力で下山できるように


思うところがあって、ソールが柔らかめの登山靴を購入。

Peak Design(ピークデザイン) キャプチャーカメラクリップ
カメラをザックのショルダーベルトに固定できる優れもの


トレーニング
「山の筋肉は、山でしか鍛えられない」そうです。
これはボクも実感していること。
高いお金を出してジムでトレーニングするくらいなら、そのお金で山に行った方が楽しい。

今年は、
2月・高水三山(奥多摩・初めてのアイゼン)
4月・御坂山・黒岳(山梨)
5月・龍ケ岳(山梨)
6月・日光白根山(群馬)・男体山(栃木)
7月・金峰山(山梨)
と、昨年までとは比べ物にならないほど登っていて、下山時に膝が痛くなることも少なくなって筋力が付いてきたことを実感しています。
余談だけど、大腿四頭筋が鍛えられると、長時間バイクに乗るのも平気になってきます。
スポーツライディングは常に中腰姿勢なので、足腰が弱ってくるとバイクをコントロールできなくなったり止まった時にバランスを崩して立ちゴケ………なんてカッコ悪いことにも
長くバイクに乗りたかったら山に登ろう!

老化は足腰から 本当のようです。


決行日
山の日を絡めて、8/9~11に決定。お盆前だからそんなに混んでないのではないかな~と、希望的観測も。


ルートと山小屋
山ガールが決めてくれたルートによると、1日目は八方尾根をゴンドラとリフトを乗り継いで登り、終点から八方池経由で唐松岳頂上山荘泊
2日目は唐松岳頂上山荘から五竜岳山荘へ、標高2,500mの縦走路
3日目に遠見尾根を降って下山


1日目
12:30ゴンドラ乗車

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遅くとも12時過ぎには「八方ゴンドラリフト駅」から最初の移動を開始したい。
平日だし、渋滞はないだろうけど東京都下からの最短距離を検索。8時頃圏央道入間I.C
ほぼ120分で上信越道長野I.C到着。さらに70分ほどで白馬村到着。
駐車場を探すものの、白馬駅周辺には無くて、うろうろすること30分。
山を登りに来てるんだから、こんなところで無駄な時間を喰ってる場合じゃない。
結局ゴンドラ直下のA駐車場に止めて(¥600−/日)急いで軽食を食べて、荷物を分配して12:30ゴンドラ乗車
リフト2本を乗り継ぎ標高1,830mまで急上昇!

13:15登山開始

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グラートクワッドリフト(三つ目ね)を降りてトイレなど済ませたら(ここは水洗トイレで、しかもシャワー便座だった)、いよいよ初めての北アルプスへ向けて登山開始。
とはいえ低山でも北アルプスでも歩くことには変わりないので、気負わず自分のペース作りに集中。
リフトの途中からガスが出てきてあまり景色は見えず。

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八方池までは自然研究路があり、登山とは無関係な観光客も大勢。小学校低学年からオバァちゃんまで、文字どおり老若男女。

14:00八方池到着

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それでもポイントポイントで写真を撮りながらゆっくり歩いて八方池到着。ここから本格的に雨が降り出してカメラはザックの中に。今回のカメラはキヤノンEOS7D Mark2 + 24−70 F2.8Lレンズ。
このレンズのキレッキレな描写がお気に入り。
重量面からしたらM3の方が軽いけど、防塵防水仕様なので7D Mark2なのです。

17:30唐松岳頂上山荘到着
降雨で滑る足場に注意してコースタイムよりも60分ほど遅れて唐松岳頂上山荘に到着。薄暗い霧の中に突然現れた時は垂直な崖かと思った。
山荘は個室。乾燥室がありとてもホスピタリティが行き届いている。
で、食事もおいしいし、なんといっても生ビールがあるのが嬉しい。


2日目
4:00 剱岳に迎えられて起床
夕食時に山荘の方が「通常、食堂の窓からは剱岳が見えますが、今日は残念です」
だなんておっしゃってましたが、翌朝起きてびっくり!西側のわが部屋からも薄暗い空に剱岳がくっきり
生まれて初めて見る剱岳。神々しくそして畏怖するほどの美しさ

5:00 2,500mのご来光
夜半にビュービュー西風が吹いて前日の雲を吹き飛ばしてくれたよう。
見たかった雲海の上からの朝焼けが撮れる!
山荘から牛首方面に歩いて吹き流しのあたりを撮影ポイントに決めて朝日を待つことに。

東側には刻々と明るさを増す空
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西側を振り返ると剱岳
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南側には、登りたかった五竜岳のゴツゴツとした山体
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嘘みたいに素晴らしい景色、そして雲海からのご来光
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4年前、膝の痛みに泣いた高尾山、素晴らしい景色に感動した谷川岳、ちょっとずつ経験を深めてここに来れたことを素直に感謝する。
朝陽に照らされる雑草を見ていたら、「砂も地球のかけらなんだと………♪」そんなアン・ルイスの曲のフレーズが浮かんできて、地球に暮らす者の一員として妙な連帯感を持ってしまったり………

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8:45 唐松岳山頂(2,698m)へ

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朝食を食べて、すぐそこに見える唐松岳山頂へ。なだらかで優しい表情の山体。
雪渓を上から見ながら身軽な装備で(カメラだけなのさ!)15分ほど。
ここからも後立山連峰と五竜岳、それに白馬岳がくっきり!

ヘリの音に振り返ると、怪我をした方がレスキューされるところ。
「他人の振り見て、我が振り直せ」
「明日は我が身」
改めて、気を引き締めます。

初めてこの登山ルートを切り開いた方に敬意を抱きつつ下山。
山荘前でコーヒーを淹れて一息。

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10:20 牛首の鎖場

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山へ行く時、あまり事前調べはしない。だいたいがアクセス経路の情報が欲しいだけだから検索ワードに引っかかったブログを1~2編軽く読むだけ。
誰かが撮った風景写真なんか見たくもないし、健脚自慢のブログは嫌になる。

だから牛首の鎖場に関しても知識はない。
却ってそれが良かったのかもしれない。知ってたら行かなかったかも。いや行けなかったと思う。

そう、高所恐怖症なのである。

高い山に登りたい!
けど、高所恐怖症なのである。


素晴らしい景色が見たい!
なのに、高所恐怖症なのである。

10:40 過呼吸

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ものすごく集中したからなのか、それとも「恐怖の記憶は消し去ってしまう」人間の自己防衛本能なのか、あまり牛首の記憶はない。最初の5分ほどは写真を撮っていたのでそこから記憶を紐解いていくしかないけど、切れ落ちている崖を見てから呼吸が荒くなってきた。
いわゆる過呼吸の寸前

「ここで滑落したら、家族は遺族になってしまう」
そんなオヤジギャクを考えつつ気を紛らわしても、岩にへばりついて鎖に身を預けている状況に変わりはなく、三点支持を繰り返して前に進まないと五竜岳には到着できない。

「滑落して死んでも、誰も恨まないし、家族にも『誰も恨むな』と、伝えて欲しい」
義弟にそう伝言。
あぁ、でもヤツも高所恐怖症だ、直前に撮った写真には「嘘だろ!」って表情の義弟が写っている。
でも、二人同時に滑落することはないだろう………

10:55 大成功

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関西弁をくっちゃべりるオバちゃん達に後ろからプレッシャーをかけられながらも20分ほどで牛首の鎖場を通過。
登山は紛れもなくサバイバルなのだ!

話は変わるが、皆さんはかつて日テレで放映されていた「元祖ドッキリカメラ」をご存知だろうか?
今回、岩場用のヘルメットをかぶると番組内に出てくる野呂けいすけ氏に雰囲気が似てるというのである。
同行の二人が口を揃えてそう言うのである。
そして自分でもそう思ったのである。
挙句に、縦走路脇に落ちていた看板を手に持ち「大成功!」のポーズをとる始末。
でもね、無事に鎖場を通過できたことは本当に嬉しかった。本物の登山者になれた気がした。それこそ大成功なのである(大げさだけど)

11:15 雲の上の縦走路 そして猿

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時折、小さな鎖場を通過しながらも(主に下り方向)五竜岳に向けて爽快な縦走路を歩く。
行き交う登山者は少なく、時折雲の切れ間に麓を見てものすごい高度感に感激したり、垂直に切り立った崖に感嘆しながらも黙々と歩く。

登山を始めてから何度となく思うけど、こんなに素晴らしい経験ができるって本当に素敵な気分。
ハイマツの間の細い登山道に赤い実が食い散らかされているのを度々目にしていたんだけど、突然野生の猿が出現!
茶褐色だからもちろんニホンザルなんだけど、里山に近いところにいる猿のように凶暴なんだろうか?
やっぱり目を見ちゃいけないんだろうか?
こちらを見ることはあっても気にしてる様子はないが、猿は重い荷物を背負ってないから身軽だし、なによりここは奴らのテリトリー。
襲われたら引っかき傷は当たり前だけど、崖近くで襲われたら最悪、滑落の危険だってある。ここは病院もない標高2,500m前後の縦走路。
三人、誰からともなく様子を見るために立ち止まって猿の行方を追う。

すると、一匹の猿が断崖絶壁の方に歩いて行って跳んだ!
ってことはなくて、その辺の岩に腰掛けて絶景を眺めてる。背後に剱岳。
絵になりすぎるシチュエーション!

こんな時、Peak Designのキャプチャーカメラクリップなら素早く撮影に反応できる!
ややピンボケだけど許して………


全部で4匹いた猿だけど、最後は力づくで退散してもらった

13:30 五竜岳山荘到着

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徐々に近くなってくる五竜岳を見ながら縦走しても、今日の宿「五竜岳山荘」は見えてこない。
明日の天気が分からないから、できれば今日中に五竜岳に登っておきたい。

何度も地図で確認しながら歩いていると、手前の山(白岳)と五竜岳の間のくぼんだところ(専門用語では何と呼ぶのだろう?)に突如出現。
昨日の唐松岳頂上山荘といい、五竜岳山荘といい、北アルプスの山荘は突如として現れるのである。
山荘に向けて下っていくとそこはかとなく漂うトイレの香り。
ホテルのように快適だった唐松岳頂上山荘とは全く違う、日本古来の山小屋の洗礼の始まりだった

14:50 登頂断念

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チェックインを済ませて、山荘前のテーブルでランチとコーヒー。
ずっと考えていたんだけど、体力的なことを考えて「motogenic!」はこの日の五竜岳登頂を断念。
牛首で膝を捻っていたことと天候の具合が分からないこともあって、無理せずに同行の二人が登っていくのをお見送り。

でもそのおかげで、ずっと五竜岳を眺めていられた。
なんてカッコいい山なんだろう。

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日本海から吹いてくる風が雲を作り、また風に乗ってどこかへ流されていってしまう
そんな、地球の営みの一部としての五竜岳をずっと眺めていた
明朝は登ろう。
そしてまたここに戻ってこよう

18:50 入り陽

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五竜岳山荘についてはあまり書きたくない
一つだけ言えるのは、次回からはテン泊で泊まり登山しようと決意したことである


3日目
8:00 五竜岳(2,813m)登頂

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山頂でご来光を見たいグループは3:30頃からゴソゴソ動き出していたようだ。

話は横道に逸れるけど、皆さんはかつてのブルートレインに乗ったことはあるだろうか?上下に設置されたベッドで一人一人眠り、夜が開けると目的地についている。

五竜岳山荘の部屋はそのブルートレインのベッドの大きなのがむき出しの空間に設置してあり、そこに布団を敷いて横になる。カーテンで仕切られるものの、赤の他人と相部屋だしカーテンだけだからなんとなく騒々しい。
当たり前に周りに気を使うけど全く気を使わない御仁も多く(大概は我々よりもやや高齢のグループ。その中に若めの女子がいるとヒドい)、腹立たしい。
お蚕のベッドなんだから、みんなが快適に過ごせるようにすればいいのに、山に来て高揚してるんだかなんだか………
数時間を一緒に過ごすだけだから、まぁいいや。

朝食を済ませ、7:00頃に山荘を出発。
ここは頂上への登山道でもあるけれど、鹿島槍ヶ岳方面への縦走路でもある。
昨日、登った二人によると、牛首ほどではないが鎖場があるということで、「ドッキリカメラ」のヘルメットを装着して荷物はカメラだけ。

ここも下見ると怖い。
いつも以上に慎重に登り、60分で2,813mの五竜岳山頂に到着。
北には、昨日登った唐松岳の優しい山体
南に鹿島槍ヶ岳の厳しい山体
西には剱岳
北に富山湾

来年、剱岳から五竜岳を見たい!

衝動的にそう思ってしまった 本能的と言ってもイイかもしれない


西風が強くて踏ん張っていないと飛ばされそう。
あんなに憧れたのに高所恐怖症にはキツい山頂。
五竜岳山頂には20分ほどいたかな。ここに留まっているわけにはいかないから後ろ髪を引かれつつ下山。
あのね、五竜岳は下りの方が高度感が強くて怖いよ。
なるべく切れ落ちた崖は見ないようにするけど、どうしても見ちゃうんだよね。


足、竦むよ………。

9:45 下山開始・遠見尾根へ

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五竜岳山荘から少しだけ唐松岳方面に戻り、白岳から右に折れて尾根道をひたすら下る。

書き忘れたけど、1日目の後半に降られた以外、昨日・今日とずっと晴天で抜群の眺望。
もう一つ書き加えたいのは準備のところで書いた「柔らかめの靴」の件ね。
実はゴッツい登山靴にはかねがね疑問を持っていた。
登山のメインの道具は、ザックでもヘルメットでもなく親からもらった二本の足なのです。
そして足の裏だけ(靴のソールだけど)が地面と接してる唯一のパーツ。
それなのに上級者向けと呼ばれる登山靴ほど、ソールが硬くて足の裏の接地感が希薄な上、重いから足首が疲れちゃう。
店員さんはこう言うよね。
「足首が疲れて、不安定な場所に足をついてもちゃんとした登山靴だと捻挫しません。安全です」
「荷物が重いほど、足首のホールド性が高い靴が必要ですよ!」
それはそれで当然の理論だと思うし、否定しないけど、どうも自分にはソールが柔らかめで足裏の感覚が掴みやすい靴の方が合ってる気がするし、何があっても登山は自己責任なんだもん、気分的にも体力的にもストレスの少ないものを使いたいよね。疲れにくいのはすごく大事だと思う。
安全だからって、我慢して使ってても違和感があるとあんまり安全じゃない気がします。

さて、遠見尾根の下り。
ここも所々鎖場があり、すれ違う登山者も多い。
今日は山の日(8/11)だからね。
大遠見山(2,106m)・中遠見山(2,037m)・小遠見山(2,007m)と下るごとに気温が上がり、さっきまでいた五竜岳は小さくなる。

汗が止めどもなく流れてくる。

白馬五竜スキー場(1,500m)まで降りてくると酷暑そのもの。


あぁ、早く下山して温泉に入りたい




東京都最高峰

東京で一番高いところって?


東京スカイツリー?
それとも東京タワー?

「motogenic!」が小学生2年性の時、初めて聞いたその場所は

「雲取山(くもとりやま)」

なんでも東京都なのに2,000m級の山らしい
小学生の「motogenic!」には想像もつかない標高だし、およそ人生に関係のない場所だと思っていたけど名前だけは忘れなかった
あれから45年(キミマロふうにね)、なんちゃってクライマーだけど今年登る機会を得た
当初予定では11月に登山の予定が、多忙を理由に延期
雪も降っちゃったし今年は無理かな?
なんて弱気でいたところ
「アイゼン貸してあげるし、付けるのは少しの区間だけだから!」
天使の誘惑とも悪魔の囁きとも取れる言葉もあり
12/8と9日に決行となりました


準備
今年は春に大岳山と三頭山
夏に尾瀬の至仏山に登ったものの、冬山は未経験

至仏山_2
至仏山_1


なんちゃってクライマーだしそんなガチな場面が自分に訪れるなんて思いもしなかった、もちろんキチンとした冬山用の服は持ってないのでなにはともあれ防寒用品を購入

1.モンベルのジオクラブ上下(中厚手)
2.モンベルのパウダーシェットパーカ(Sサイズ・シトロンイエロー)
3.モンベルのシャミースジャケット(Sサイズ・フリースみたいなものね)
4.ニーガード・パテラアンダー(Mサイズ・膝サポーター)


なんだか見事にモンベルの回し者みたいになっちゃったけど、買い物が1箇所で済むのはありがたい事
自宅近所のアウトドア専門モールで調達

1.は薄手のものでも大丈夫と言われたけど、山の天気は変わりやすいし低体温症が怖かったので中厚手をチョイス
暑かったらレイヤーで調整するつもり
2.は防風・多少の防水・汗の透湿素材(クリマバリヤ)なので
3.はレイヤー用に(ユニクロのフリースじゃ厚くて登山には不向き)
以上に手持ちのダウンベストを組み合わせる事にしました


登山開始
待ち合わせ場所の手違いなどがあり奥多摩湖畔・鴨沢についたのは10時前
そこからさらに車で小袖駐車場へ 途中で野生の猿を発見したけど民家近くまで降りてきていますね
青梅街道から小袖駐車場まではすれ違い不可な細い道 早々に準備して10時20分登山道へ

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このあたりの標高は710mほどで、すでにスカイツリーよりも高いが目指す雲取山頂上は2017.1m
これから1,300mを6時間で登らなくてはいけない
冬至前のこの季節は日中の時間が短く、山の中は暗くなるのが早い
雲取山までは尾根道なので問題ないだろうけど、今夜泊まる雲取山荘までは20〜30分ほど陽の射さない斜面を下るというし、10日ほど前の降雪でアイゼン必須だとのこと
いつもならあちこちで止まって写真を撮っているけど、今回はカメラはザックの中
60分歩いて10分休憩のルーティーンで16時には登頂したい
コースタイムは5時間30分ほどらしいので休憩するとで本当にギリギリ
行きも帰りも同じルートを歩くピストン往復なので写真は帰路で撮る事にして黙々と歩く(話ししながらだけど)

登山道は無風で日差しもたっぷり、歩き出して15分ほどですでに汗だく
多少の登山経験でこの最初の15分でペースを作れないと後が苦しくなるような事がわかってきた ハァハァするのは禁物 足を一歩半前に降ろすように歩く
息切れせずに同行者と話しができて、多少汗ばむくらいのペースがちょうど良い気がする
それから膝をあまり動かさない歩き方も肝心(「motogenic!」は下りで膝痛が発生するから特にね)
雲取山は階段がないのが良い
それに落葉樹の落ち葉で登山道がクッションフロアになっているのも好感度高い

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20分ほどで老夫婦に追いつき、言葉を交わして先に行くけどこの二人も雲取山荘泊まりだというので後々まで気にかかる事に
2回目のインターバルで七ツ石山の手前まで到達 ここは巻道を迂回して距離と時間を稼ぎ 14時過ぎにヘリポートのある奥多摩小屋付近でランチタイム

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スープにおにぎりを入れたリゾットの山ごはんだから美味しいし温まるものの、休憩中もどんどん体温が冷えていくのがわかるほど寒い(推定3℃)
ここからは眺望が良くて長居してしまいそう
ちなみに写真は今回の同行者のおふたり、3人合わせると155歳という立派な中高年(笑)


山頂へ
このあたりで標高1800mくらいだったと思うけど、ここからはヨモギの頭を巻道でパスして40分ほどでやっと雲取山頂へ、5時間以上歩いてきた脚に小雲取山の急登は厳しかったけど満足の眺望と達成感
ギリギリで入日を眺めて急いで雲取山荘へ

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これが泣きたくなるほどの急な下りで、翌朝これを登るのかと思うとマジ憂鬱だけどアイゼンを使うほどの積雪や凍結は無く無事到着


雲取山荘
山荘には石油ストーブの懐かしい匂いが混じっているけど寒い

管理人さんに気温を聞くと
「2.7℃」
近くにいた人が「プラスですか?」と尋ねると
「マイナスですよ」
と静かに、そしてどこか嬉しそうに答えていたのが印象的でした
特に混雑がないようで部屋は個室
お風呂はないけど水洗トイレだし(紙は流してないけない)
なによりも部屋にこたつがあるのがありがたい
3人とも自宅にこたつを置いていないので、久々のこたつ生活に歓喜(笑)
基本的に食事とトイレ以外はこたつから出てこないという堕落ぶり
夕食は18時からで、21時消灯
登山開始直後に見かけた老夫婦も無事に到着してひと安心(でも18時30分到着だって 真っ暗!)

雲取山荘のサイト




翌朝
山頂からのご来光に合わせて5時に起きて5時20分頃から朝食

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6時頃の朝焼けと三日月


受付カウンター前のポットにお湯が用意されていて登山者はそれぞれ自分のテルモスに注入できるシステム
薄明るい中ヘッドランプを点けて急登を登る ひと晩で更地になっているわけも無くこれがマジ急登
きっちり30分で再び雲取山頂に着いた頃には個人的に酸欠状態(笑)
でも眺望は最高 富士山はもちろん浅間山も日光白根に北アルプスまで遠景できる
南アルプスや甲斐駒ヶ岳の雪帽子もかわいい


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太陽の下、三頭山の上にオレンジ色に光るのは東京湾

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昨日の借りを返すべく写真を撮りまくる


風景写真も好きだけど 最近はその人たちの関係性を感じさせるような写真に積極的です


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冬枯れの山
春・夏・秋と登山をしたけど、冬山は初めて
積雪が無くて楽しめたけど それ以外にも冬山は魅力いっぱい
人が少なくて、動物の気配も少なくて静謐
落葉樹の葉が落ちた冬枯れの山は景色が素晴らしい

帰路は本当に下る一方で、昨日パスした七ツ石山まで唯一登って頂上でランチタイム


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見事なクリスマスツリー

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広々とした石尾根と降りてきた雲取山頂が見えています


写真を撮りながらのんびり下るけど すれ違う人が多いのにちょっとビックリ
ほとんどの人がソロ登山だから日帰りなのかな?
4時間ほどで小袖駐車場へ
驚いたことにほとんど膝の痛みに襲われず往復22kmほどを踏破
いろいろな条件が重なったんだろうけど、嬉しかったな

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車に乗って小菅の湯へ
ここも秋川・瀬音の湯と同じで高アルカリ泉で美人の湯
日本の山と温泉はセットみたいなものだからありがたいね

こうして2015年は4つの山に登頂して終わりました
晩春の大岳山
初夏の三頭山
晩夏の至仏山
冬枯れの雲取山
どれも素敵な思い出になりました

2016年は3,000mにチャレンジしようかと思っています



大岳山へ

東京・武蔵村山市のバイク&ビジュアル「モトジェニック!」です

完全な趣味として始めた登山(と言うよりも山歩き?)も,もう4年目に入りました.
去年は谷川岳と大菩薩嶺の2座(山は「峰」ではなく「座」と数えるそうです.最近知りました)だけでしたが,
今年は4座ほどは登ってみたいところ.

そんなちっさな目標を叶えるため奥多摩三山のひとつ,大岳山に登ってきました.
大岳山は立川以西ならどこからでも見える一番高い山.
地元からも当然拝むことができるので,いつかは登りたいと思っていました.

日にちは4月24日,普段ならNack5から小林克也さんの雄叫びが聞こえる時間に御岳へ向けて出発.
今回は御岳山ケーブルカーを使って大岳山へ登るのが第一目標.
山頂でのランチ休憩後はピストンで御岳へ戻るか,鋸山方面へ縦走して奥多摩駅へ降りるかを決めていなかったので,御岳駅付近の吉野街道の無料駐車場にジープを停め,バスとケーブルカーを乗り継いで御岳山山頂駅へ.

御岳山ケーブルカー
カラフルなケーブルカー(スイカやパスモで乗車できます)

実は一昨年の夏にも大岳山を目指したものの,あまりの暑さに鍋割山で断念した経緯があり,
シーズン初の登山で,足腰と下山時の膝の痛みも不安材料なので,明るいうちに下山したいところ.

ケーブルカーを降りて宿坊や古代杉・御岳神社と歩みを進めると,人出は少ないものの結構カメラをぶら下げてる人を見かけます.
そうそう,ケーブルカーでは福生の小学5年生の団体とも一緒でした.5年生の子供たちのお喋りを聞くのはけっこう楽しい.

今回も「motogenic!」が使うのはEOS-M(初代モデル)+EF28mm F1.8単焦点レンズ

ベイブルーのEOS MとEF28mm F1.8
なるべくヨコ構図でも撮影を心がけたいところです

それにしても,この季節の山歩きは本当に楽しい.
ナショナルジオグラフィック風に
鶯の鳴き声や様々な萌黄色が美しいし,若芽の息吹も清々しい.

御岳山 天狗の腰掛松

天狗の腰掛杉を過ぎるといよいよ登山道らしくなって,岩場や鎖場も登場.
鍋割山方面ではなく芥場峠を目指します.

実は今回の山歩きには,歩き方に二つのタスクを課しました.
1.膝が痛くならないようにセーブして歩く
2.ハァハァしない

よって,同行の女子には申し訳ないけれど,早朝散歩の老人のようなペースですが,これにも当然ネガティブがあって
1.時間がかかる
2.距離が稼げない
こんなジレンマがあるけれど,リスクは絶対に犯したくないし,無理をして同行者に迷惑をかけてしまうことはバイクでも登山でも避けなくてはいけないこと.

御岳山初夏の登山道

ところどころで休憩して水分補給をして高度を稼いでいくと,思いがけず美しい桜の木などあって感動しきり.
登山道にも桜の花びらが散っていたり,舞っていたり.

180分歩いてようやく大岳山山頂へ. ゆっくり歩いただけにガイドブックのコースタイムの30分遅れ.
でもね,山歩きは誰と競うわけじゃなく自分のペースで楽しむもの.山頂からは眺望が開けてて富士山も望める.嬉しいなぁ.

大岳山山頂

大岳山山頂でランチタイム
お楽しみのランチタイム

いつもそうだけど,バーナーに火をつける瞬間ってワクワクする.
パスタやバゲット,それにデザートでちょっとおしゃれな山ランチ.
栄養学的に言うと
炭水化物
糖分
水分
ってところ?

15時に,大岳山山頂出発
御岳山へのピストンではなく,鋸山尾根への縦走と決め登ったり下ったり.
結果的に縦走コースは大正解で,西日を受ける御岳山奥の院が遠くに見えて距離を歩いてきたことを実感します.
鎖場やはしごを登ったり降りたり,遠くに雲取山を望んだり.
雲取山も登ってみたい山のひとつ.何と言っても東京都最高峰だし日本百名山のひとつ.

大聖神社天狗の石碑
下山途中の大聖神社にて.

大聖神社お賽銭
お賽銭は軽量化のため?

下山の無事を祈って五円玉を納めました.

ここからは北斜面を下るので,急速に暗くなります.
暗くなる前に奥多摩駅までたどり着きたいものですが,急ぐあまり転倒したり怪我をするのはまさに本末転倒.
同行の女子にヘッドライトをつけてもらって,慎重に下りておきます.
暗闇と,もうひとつ怖いのが獣との遭遇.
クマやイノシシ・それに鹿などに避けていただけるよう笛を吹きながらすでに真っ暗な登山道を歩き,大岳山山頂から270分で奥多摩駅にゴールしました.
駅手前のコンビニで買ったノンアルコールビールが殊の外旨かったです.

さんざんバイクで走った奥多摩駅前をリュックを背負って歩いているのはなんだか不思議な気分ですが,十分な達成感と満足感に包まれるものです.
生まれて初めて奥多摩駅からJR青梅線に乗り御岳駅へ戻り,今年初の山行は無事に終わりました.